夜空の冷たさは溜め息を凍らせ、有機ELの光に照らされたビルの屋上で、君はもうずっと待っている。燃えるような夜の虹、オーロラを。
眼下には黒い礼服の亡霊たち。右手にランタンを下げ、左手はポケットの中。口先に新しい呪詛の言葉をぶら下げながら、彼らの列は途切れることを知らない。
誰かが言う。「俺たちは希望とかいう、居もしない神の下僕だ。」君はその言葉を否定するだろうか。
ランドマークターミナルの大型スクリーンに中身のないニュースが映し出され、町中のBARで中身のない会話が交差する時間、どこからともなく中身のないヒット曲が流れてくる。よく耳を澄ませて。君はこの街を見下ろし、そっと呟く。
「俺たちは、神の犬」